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荒川右岸を北上する

彩湖から荒川右岸を北上、途中で西にそれてびん沼を抜け、伊佐沼の先のうどん屋「大将」へ。


さいたま市内から自転車で行けるうどん屋としては最高と思う「めんこや」を奥さんと訪問したときに、話しかけてきた他の客から今回の「大将」を紹介され、後日、近くの「農家カフェましゅましゅ」を訪問したときにも前を通って店構えは確認したものの、結局のびのびになっていたお店である。

数えてみれば存在を知ってから4年越しの訪問となった。


お店は田畑を抜けた住宅街の中にある。

自転車をどこに停めようか迷っていたら、お店の方から「スタンドが無いのよね?」と声を掛けていただき、軒先に置かせてもらった。

食事中も視界に入るので安心。


肉汁うどんを注文して、甲子園の中継をBGMにしばし待つ。

出てきたうどんは、何かが違う。

悪くはない、悪くはないが、単に好みの問題ではあるものの、武蔵野うどんに慣れた舌には白くてフニャっと柔らかい麺に違和感を禁じ得ない。


つけ汁もきのこ類のものだろうか、えぐみが強く、疲れた身体で期待した甘じょっぱさが物足りない。

人によってはこのえぐみを旨味と感じるのかどうか、それは分からない。


単に自分の好みとは違うだけで、きっとこういった田舎うどんが好きな方も多いのだろう。

しかしこのあと、台風特有の強い風に立ち向かって南下する身としては、このまま帰るわけにはいかない。


口直しに?、帰路の途中にある田舎うどん「てつ」に寄ることにした。

「大将」の近くにある「めんこや」が休みだったのもあるし、最近「てつ」が激混みという噂も聞いていたので入店できなければ、まあそれはそれでもいいか、とも思ってのことだ。

うどん2杯が食べ過ぎなのは否めない。

伊佐沼のほとり。

漁に使うと思われる小舟がいつも係留されていて、それがこの日のように曇り空の下、強い風で揺れる様子が、物寂しい風情が感じられて好きだ。

ここを通るとき、いつもこんな天気な気がする。

田舎うどん「てつ」。

テレビの取材があったことで、放送直後はとんでもない混雑があったらしいけど、この日は10分ほどで入店できた。

休日だとどうかは、分からない。


肉うどんを注文。

全粒粉というか、歯を立てるとブチッと切れるこの胚芽入りの薄黒く固めな小麦麺がこのお店の特徴。

特別気に入っているわけでもないけれど、安定したクオリティ。

これで帰れる。


左岸に渡ってVIAにでも寄ろうか迷ったけど、天気が回復して日が出てきてしまったのと、VIAが開いているかどうか調べるのも億劫だったので、真っ直ぐ帰ることにした。


向かい風は煩わしかったが、外用のホイールを履いているのが山岳用バイクしかなく、その軽めのギヤ比が奏功した。


日曜日は友人の結婚式・披露宴があるからレスト。

休みのうちに、走れるときに走っておく。

職場復帰したらまた思うように乗れなくなってしまうのだから。